Hay Fever
春はアレルギー性鼻炎の中で最もよく知られるスギ花粉症の季節で、毎年この時期になると、
くしゃみ、鼻水、鼻づまりの鼻症状と、眼のかゆみなどの眼症状に悩まされる人も多く、また新たに発症する人もでてきます。
ここ富山ではスギの樹生分布は多くても、降雪などの気候条件から、全国の有症率の約3割に対して、2割と低くなっています。
(ただし10年前にはそれぞれ2割、1割で全国的に1割の増加が認められています)
実際、富山に転勤して症状が軽くなる人や、スギのシーズン中に他県へ出張してひどくなる人がみられます。
発症した場合の対処としては、外出時のスギ花粉防御としてのマスク、眼鏡などのいわゆる花粉症グッズがあります。
また室内対策も重要で、開窓回数を少なくし、室内掃除やカーテンの洗濯回数を多くして、室内花粉の除去を心掛ける必要があります。
現在の治療法の主体は薬物療法で、内服薬と点鼻薬、点眼薬が使用されています。
症状や日常生活に応じて、いろいろな作用機序の薬剤が選択され、組み合わされます。
薬物使用の開始時期に関しては、花粉が一斉に飛び出す時期の2週間前ぐらい前(富山では2月中旬頃)から開始するとよい薬と
飛散開始予測日または症状が少しでも出現した時点で開始する薬があります。
この時期の治療を初期治療と言いますが、内服に限らず点鼻薬も有効です。
一方、スギ花粉症の場合は、多くの施設で花粉の観測をしていますので、いつから、
どれだけの量の花粉が飛んでいるかを新聞などの花粉情報によって知ることができます。
そのため症状の発現時期から、スギに対する感受性の強さがわかり、また、花粉数と症状の程度からスギに対する反応の強さがわかります。
富山でも1月から花粉がわずかながら観測される場合があり、感受性の高い人だけが症状が出ます。
反応が強い人は眠れないほどの症状が出て、4月過ぎまで症状が長引きます。
そこで、今までの感受性と反応性を考慮に入れて治療していくことをお勧めします。
感受性が高い人は、早めに1月から内服開始をお勧めします。
また、内服の期間に関しては、花粉の飛ばなくなる3月末頃までですが、
反応の強い人や、ヒノキの花粉症もある人はさらに一ヶ月服用を続ける必要があります。
スギ以外のアレルギー原因物質も血液検査で、スクリーニングできますし、いろいろなタイプの内服薬や点鼻薬も増えてきていますので、
当院にて御相談ください。